週末の夜、試合から帰った義経はいつもの様に役所が休みなので上京してきて部屋で待っていた恋人の若菜と過ごしていた。今日はデーゲームだったので彼女の手料理を食べ、幸せな気持ちのまま会えなかった時間を埋める様に話したり本を読んだりして過ごした後、夜も遅くなったので風呂に入る事になる。用意はできていたので彼が先に入る事になり着替えのパジャマと下着を持ってバスルームに入り、体を洗おうとシャワーを一旦浴びて石鹸を手に取ろうと置き場を見ると…うっかりしていたのか切れていた。彼は声が届く脱衣所まで一旦出ると、彼女に声を掛ける。
「若菜さん、すまない。石鹸が切れてしまっていた。もう湯を浴びて濡れてしまって出せないから出してもらえないか」
「あ、はい」
 彼女は彼に言葉を返し、脱衣所の棚に入れている石鹸を取り出し、封を切ると、バスルームに戻った彼へ扉越しに声を掛けた。
「光さん、石鹸出したから…開けていいかしら」
「ああ、ありがと…おっと!」
「きゃぁ!」
 彼はバスルームのドアを開けた彼女から石鹸を受け取ろうとしたが、うっかりシャワーの角度を間違えて彼女に湯を掛けてしまい、彼女の服は濡れてしまう。
「す…すまない」
「いえ、事故ですし…とりあえず石鹸を」
「あ…ああ」
 彼は石鹸を受け取るといつもの置き場に置いたが、ふとドアを閉めるどころか、自分を見詰めたまま硬直している彼女の気配と視線を感じて振り返り、怪訝に思って声を掛ける。
「…どうした?」
「え?…あ、いえ…ごめんなさい、ちょっと……あの、光さんの裸…こんな明るい所で見たの、初めてで…どうしたらいいのって…」
「…そうか」
 彼女の初々しい答えに、彼は気恥ずかしさで何とも言えず彼女をもう一度見つめ、濡れたシャツに映る下着と素肌に気づいて、自分も戸惑いが隠せなくなってくる。しかしその一方で欲望とも何とも言えない感情が湧きだしてきて、いつの間にかふっと言葉が零れ落ちていた。
「俺だけ見られるのは不公平だな…そうだ、服が濡れてしまった事だし、このまま一緒に風呂に入るというのはどうだ?たまには若菜さんに背中を流してもらいたい気もするしな」
「!」
 彼女はその言葉に顔を真っ赤にして更に戸惑い始める。それを見て彼は優しく言葉を重ねる。
「…いいだろう?」
 彼女はしばらく戸惑っていたが、やがて腹が決まったのか、戸惑いがちにだがこくりと頷いた。彼はそれを見て優しく、しかしどこか淫靡な笑みを見せると、『じゃあ…待っているから』と彼女を駄目押しで促す様に更に言葉を重ね、バスルームの扉を閉じる。そうして身体を洗いながら扉の擦りガラス越しに彼女の気配を探ると、彼女が躊躇いがちにだが一枚、一枚着ているものを脱いでいるのがシルエットで分かる。そのシルエットを見た時、更に激しく先刻の感情が沸き起こって来るのを感じた――

 しばらくして胸元などをフェイスタオルで隠しながら彼女がバスルームに入って来た。彼はその姿に息を呑む。胸などは隠されて見えないが、タオルからはみ出た腕や足の透き通る様な肌の白さ、その肌の白さを更に際立たせる緑なす長い黒髪や赤い唇、そして華奢な体つき等をいつもの暗がりではなく明るい所で改めて見て、何と美しいのだろうと更に熱い感情が掻き立てられ、しかしいきなりそんな感情を押し付けるままに触れたら彼女は嫌がる事は分かっているので、理性を総動員して抑えつつ、洗い場に座ると彼女に背中を預けた。
「じゃあ…背中を流してくれ」
「…はい」
 彼女は戸惑いがちに彼の背中を流し始める。彼女に比べて自分は随分体格がいいので大変そうだが、力も適度で何とも心地よい時間。そして直接触れてはいないものの近くにある彼女の身体の感触と体温もとても心地よく、彼は幸せな気持ちになる。そうして背中を流してもらい、彼が湯船に入ると、彼女は自分の髪と身体を洗い始めた。髪を丁寧に洗い、その後持っていたタオルで石鹸を泡立て身体を磨いている彼女の濡れそぼったこしの強い黒髪に彩られたしなやかな手足や、白く弾力のある滑らかな肌や、小ぶりだが形の良い胸の膨らみに石鹸の泡が滑るその様子を見ている内に、彼は自分の中の感情が更に高まっていく。その心のままに自分で背中を洗おうとしていた彼女に彼は声を掛けた。
「今度は…俺が背中を流そう」
「え?…あ、いえ…いいです」
「いいから。さっきの侘びとお礼だ」
「…」
 彼女はしばらく躊躇っていたが、浴槽から出てきた彼に圧されて、躊躇いがちにだが持っていたタオルを渡す。彼はタオルを受け取ると彼女を座らせ、背中を流し始めた。しかし、ふとこの滑らかな肌をタオルで磨くのは何故かいけない様な気がしてきて一旦手を止めて考えると、ふっと思い立ち手で石鹸を泡立て、その掌で彼女の背を改めて流していく。彼の掌の感触に気づいた彼女は驚いて振り返る。
「光さん、何を…」
 彼女の言葉に、彼は優しく、しかし悪戯っぽく微笑みかけると耳元に囁く。
「何だか、あなたのこの肌は…タオルでも傷つけそうなんでな。よくタオルじゃなくて手で洗う方がいいともいうし…そうした方がいいかと思ったから」
「…でも」
「大丈夫だ。…綺麗にしてあげるから」
「…」
 彼女は彼の囁きに何も言えなくなり恥ずかしそうに俯いた。それを見て彼はくすくすと笑うと彼女の自分より随分小さく華奢な背に手を滑らせていく。そうして彼は時折石鹸を泡立てながらしばらく背中を流していたが、互いに感じている緊張感に気づいた時、背中を流すというのは名目で本音の所はいつもの愛撫の様にしたいのだと自分が無意識に思っていて、彼女もそれに気づいていたのだと分かり、その心のままにわざと彼女の胸元にその手を滑り込ませた。
「えっ?…光さん、何…」
 彼の突然の行為に驚く彼女に、彼は甘く淫靡な囁きを彼女の耳元に与える。
「本当に…白くて、滑らかな肌だな。綺麗だ…」
 その言葉で彼の意図が分かったのか、彼女は驚いて身体を離そうとする。
「いや…ここじゃ…」
「ここだから…いいんだろう?」
「!」
 彼はそう囁くと自分の身体を囁きで硬直した彼女に密着させる。彼のその囁きと行為に彼女は硬直から全身を色づかせて躊躇いの様子を見せ始めた。それでも彼女が無理やり身体を離さない事でそれほど強い抵抗を示していないと分かった彼は、湧き上がる感情のままに彼女の身体中に手を滑らせ、特に胸の膨らみは丹念に愛撫する。その愛撫で彼女は躊躇いがちにだが段々と甘い溜息が多くなってきた。そのため息に更に突き動かされ、彼は更に甘く、淫靡に囁く。
「さあ…立って」
「いや…こんな…はずかしい…」
「俺とあなたの関係だろう?恥ずかしくなんかないさ。いや…恥ずかしくても、そんな…あなたがいい」
「…」
「…立って」
 彼の優しく甘いがどこか有無を言わさぬ囁きに圧されて、彼女は彼に抱かれるまま躊躇いがちに立ち上がった。
「…それで…いい」
 彼はやはり淫靡にくすくすと笑うと左腕で彼女を抱き寄せ改めて自分と密着させながら、右手を彼女の足の付け根に滑り込ませる。いきなり与えられた強い快楽に彼女は小さな悲鳴を上げた。
「ひっ…!」
 彼女の様子を無視して彼は彼女の聖域に秘められた泉と花芯を愛しんでいく。その指の動きと石鹸のぬるりとした感触が彼女の聖域に今までにない強い感覚を与え、その与えられる快楽で彼女の足元が崩れそうになるが、彼は抱き寄せた腕でそれを許さず行為を続けた。そうして彼女の聖域を愛しみつつ時折その長くこしの強い髪から耳朶へと唇と吐息を這わせ、甘噛みし、更にその髪からほんの少し覗いている首筋と肩口にも唇と舌を這わせていると、やがて石鹸のぬめりの音に溢れてきた蜜の水音が加わった淫猥な音がバスルームに響き渡っていく。その音に彼女は快楽で足が崩れそうになりながらも羞恥心で頭を振り、途切れ途切れの荒い呼吸の中の小さい声だが、懇願する様に彼に訴えた。
「おねが…い…っふぅ、やめ…いや…はぁ…こん…な」
「でも…気持ち…いいだろう?」
「い…やぁ…くっ…こんな…わた…し…」
「魅力的だ…清らかなのに…内に淫らな側面を秘めているあなたは…とても…美しい」
 そう言うと更に彼は花芯と泉の中の指を蠢かせる。その感覚に彼女は快楽で呆然となっていく意識を何とか留めようとする様にまた頭を振るが、与えられる快楽の方が強すぎて、段々とその快楽に溺れて来たのか淫猥な水音と共に荒い息遣いと甘い声がバスルームに入り混じり、満ちていく。そして彼女の足からとうとう力が抜けた。崩れ落ちた彼女を彼はしっかりと抱きとめそのままバスルームの床に一旦座らせ、自分もその後ろに座ると脱力した彼女を自分の身体に寄りかからせて顔を向けさせキスをしながら、また淫靡にくすくすと笑って耳元に囁いた。
「…よかったろう…?」
 彼の淫靡な囁きに彼女は羞恥心で全身を色づかせ両手で顔を覆いながら頭を振り、泣きそうな声でその囁きに返した。
「いや…いやよ……ここで、こんな事…酷いわ…」
「酷くて結構。…あなたの淫らな姿は…もっと見たくなる…俺だけにしか見せない、そんな…淫らなあなたは…いくらでも欲しい。そのためなら、手段は選ばない」
「そんな…」
「それに、まだ…終わってない」
 そう言うが早いか彼は彼女の腰を持ち上げ、脚の間ですでに時が熟していた彼自身に身を沈めさせた。先刻の指とは比べ物にならない質感からくる強い感覚に彼女は大きく息をつくが、それでも拒否の意味を込め頭を振り、何とか止めてもらおうと弱々しい声で懇願する。
「ぁっ…はぁぁっ…!……ひか…る…さん…おねが…い…ゃぁ……んっ!」
「駄目だ。…大丈夫…気が遠くなるくらい…気持ちよくしてあげるから」
 彼女の懇願に彼は耳を貸さず、逆に彼女の腰を捕らえ拘束すると、そのまま彼女と自分の腰を動かしていく。与えられる今までになかった動きと感じた事がない注挿の質感に彼女は確かに快楽を感じている様で大きく息をつき、胎内は彼を締め付けながらも、羞恥心が先に立っているためか泣きそうな声で抵抗の言葉を続ける。
「あ…ゃっ…はぁ…っ!…いや…っくぅ!……いやっ…ぁぁ…」
「どうした…?…いつものように、おれに…身を…まかせてしまえば…いいじゃないか」
「だって…はぁっ…こ…こ……で…ふぅっ…そん…な…の…んんっ!い…やぁっ…!…」
「そんなに、こわがらなくても…だいじょうぶ。あなたは…みだれれば、みだれるほど…うつくしい。…だから…もっと、みだれてしまえ」
「い…や…っ!」
「いや…いい…だろう…?それでも…はずかしい…なら、そんなきもち…わすれさせて…やる」
 彼の言葉と行為こそ彼女の羞恥心も抵抗も無視するどころか駆り立てる様な振る舞いをしているが、内心はその表面と同様自らの欲望の高まりのままに彼女を快楽に溺れさせて自分のものにしたいという感情も確かだが、同時に彼女が彼の今の振る舞いに本心からの抵抗を示し、傷ついている事位充分分かってもいて、それが辛くてこれ以上彼女を傷つけたくないのに、自分でも今の行為が止められなくなっている自らの際限のない欲望と自制心のなさに対する罪悪感という相反する感情が溢れ、渦巻き、ぶつかり合いながら荒れ狂っていた。彼女をただ優しく愛しみたい、いや、もっと思うがまま乱れさせてみたい、彼女をこれ以上傷つけないよう自分の衝動を止めなければならない、それなのに止められない、いや…止めたくない――そうした渦巻く感情を表す様に彼は彼女を拘束し続け、そのままに二人は絡みつき、混じり合っていった。

 全てが終わった後、彼は精一杯の謝罪を込めて彼女の身体を洗い流す。彼女は身体をこわばらせ俯いたままそれは受けたが、そのまま彼と視線は一切合わせず湯船に入ってしまった。その反応で彼は彼女をどれだけ傷つけてしまったのか改めて自覚し、更なる罪悪感に襲われ、せめて彼女の気持ちが少しでも早く落ち着く様にと先にバスルームから出てパジャマに着替え、彼女を待った。そしてしばらく後に彼がいると擦りガラス越しに分かったからか、彼女がやはりフェイスタオルで身体を隠しながら出てきたので、彼はもう一度精一杯の謝罪を込めて、用意していたバスタオルを広げ、彼女の身体を自分に見えない様に覆いながら優しく拭いていく。その一連の行為で彼の心情を理解したからか、彼女はまだ俯いたまま彼と目を合わせようとはしなかったが、それでも黙ってそれを受けていた。そして拭き終わったところで彼はそのタオルで彼女を包み込む様に抱き締めると、彼女の耳元に静かに謝罪の言葉を囁きかける。
「…すまなかった」
「…」
 彼女はやはり黙って俯いたままだが、かといって彼を拒絶したり身体を離そうとする気配もない。そんな彼女の様子に彼も彼女の内心が分からず困惑し、自分から身体を離した方がいいのか、それとも彼女の行動を待った方がいいのかと、こちらも動けなくなってしまった。そうしてしばらく二人が気まずい沈黙に包まれてどれくらい経っただろうか。彼女が不意にぽつりと言葉を零した。
「…あの」
「…どうした?」
「光さんがあの時、どう思っているのかは…分かりましたし、受け入れられたら…って、気持ちも…確かに、あるの。それでも…私は、ここで…ああした事を…したくないの。…ここは、私にとって『大切な場所』…だから…」
「…ああ、そうだったのか…でも確かにそうだ。ここは、あなたにとって心底リラックスできる数少ない場所だものな。それなのに俺は…本当にすまなかった。…あんな風に俺の欲望で、あなたのそうした大切な場所を穢し…」
「…いいえ。そうじゃ、ないの…」
「え?」
 彼女の言葉で、彼は自分の振る舞いで彼女が自分をも不可侵にしたいほど大切にしている場所を穢してしまったのだと思って謝罪の言葉を告げようと言葉を紡ぎ出したが、何故か不意に彼女からその言葉を遮った。その様子に彼は言葉を止め、彼女が自分の謝罪を遮った真意を知ろうと改めて問い掛けると、彼女は俯いたまま、しかしその顔を含めた全身を色づかせながら恥ずかしそうにぽつり、ぽつりと言葉を零していく。
「…その…『大切』の、意味は…ここが、私にとって…あなたに…あの、その後…その、抱かれてもいい自分に…なるための、場所…っていう意味…なの。…身体も心も綺麗にして、鎮めて……あなたに、ふさわしい女に…なるための。…だから、ここで…あなたに…あの、あんな風…に、されたら…」
 全身を色づかせ、恥じらいに満ちた態度とそこからくる小さな声で途切れ途切れに紡がれる言葉で彼女の自分に対する想いが充分伝わり、彼は申し訳なさと同時に彼女に対する愛おしさが更に増してきて、その心のままに抱き締めている腕に力を更に込め、その耳元に優しく囁きかける。
「そうか…だとしたら、やはり俺は…あなたに謝らなければ。そうしてあなたが…俺のために身を清める場所を、俺の急いた気持ちだけで穢したら…互いのためによくない。…しかし」
「しかし?」
「俺の精進が足りないとはいえ…あの時のあなたが…俺の理性を、その…飛ばしてしまった位…とても魅力的だったのも…確かでは、あるんだ」
「…」
 彼の優しいが気恥ずかしげな口調と言葉に彼女は更に真っ赤になって俯いた。そんな彼女を愛しむ様に彼は更に甘く優しい口調で彼女の耳元に囁きを重ねる。
「あなたの気持ちはよく分かった。もう今回の様な事はしない様に精進する。…ただし…時折、また背中を流してもらう位は…お願いさせてくれよ」
「…はい」
 彼の囁きに彼女は顔を赤らめながらも恥ずかしげに微笑み、小さく頷いた。彼も優しい微笑みを返すと、バスタオルを巻きつける様に渡しながら彼女から身体を離し、言葉を重ねる。
「…じゃあ、これ以上あなたに何かしてしまうと良くないから…俺は出て行こう。あなたは湯冷めしない様に早く着…」
 そう言いながら脱衣所から出ようと身体を返した彼を、彼女は不意に引き戻して唇を奪った。唐突な彼女からのキスに今度は彼が驚いて硬直する。その彼の反応で唇を離した彼女はバスタオルを胸元で抑えつつ、伏し目がちに恥じらいの表情を見せながら囁く様な声で言葉を零した。
「…あの…あんな事言った後なのに、こんな言葉を出すなんて…ふしだらだ…って思うかも、しれないけど……今夜のあなたは…その、満足…してしまって…もう、私は…いらない…?」
 彼女が発した予想外の言葉に彼は驚き、真意を確かめたいと彼女を改めて見詰める。彼女は確かにいつもの可憐な恥じらいの表情を見せているが、同時に伏し目がちな瞳の奥に彼に抱かれる時見せる甘く蠱惑的な眼差しもそこにあって、湯上りと恥じらいの上気で色づいた頬と肢体がその表情と相まって彼女の内に秘められた妖艶さが匂い立つほどに零れ落ちていて――そうした彼女に先刻以上の熱い感情が駆り立てられた彼は、ふっと優しさと淫靡を備えた笑みを見せながら、そのままの口調で彼女の耳元に囁きかける。
「いや、そういう事ではなく…今回はあんな酷い振る舞いをしてしまった後だ。本来なら自分を律して、これ以上は止めるのが山伏としても、男としても正しいと思ったんだ。…しかし、そんな魅力的なあなたを見せられたら…その自制すら、また…吹き飛んでしまう」
「じゃあ…」
「…ああ。……しかし、こう見ると俺は修行がまだ足りない…いや、この事に限っては…これ以上修行の意味はないな。…あなた以外なら今の自分でも律する事は容易だが、あなたという媚薬だけは…どんなに修行を重ねて自分を律せられる様になったとしても、もう…抗えそうにない」
「…そう」
 互いの言葉に二人は甘く淫靡な表情で笑い合うと、彼はそのまま彼女をバスタオルごと抱き上げ、寝室へ向かった。

 

 え〜と…実はこれ、去年の今頃『衣通姫』の土井垣さん編と同時進行で書きはじめたネタなんですが…当時体調不良でそれ共々一気に書けずにエロシーン途中で保存したが故に途中で我に返ってしまい(笑)、恥ずかしさで一年以上放置していた品でございます。で、この所の暑さと原稿作成で頭がいい具合にトランス状態になった時にえいや、と最後まで書き切りました。
 こういう無理やり系はいくら彼女は特別だとしてもきっちり欲望のコントロールできてるだろう義経はまずないと分かっていますが、管理人としては無理やりというより若菜ちゃんは根底同意で場所考えてくれというのがベースでして…そう分からないのは力量と開き直り不足故の中途半端だと自覚しています。その辺りもっと筆力高めたいなぁ…んで、今回エロネタとして使ってしまいましたが『身体は手で洗う方がいい』は皮膚科のドクターから聞いた本当の話。プラスそのドクターは『ボディソープも駄目な〜洗浄力強すぎて肌荒れる事あるから石鹸使え〜』とおっしゃってましたがやっぱりボディソープの方が香りにバリエーションあっていいんだよなぁと思ってます(風呂満喫のためにも、この手のエロネタ使用のためにも←おい)。
 …まあそれ以上に今回改めて自覚したのは、エロは熱い内に打てという事ですな。我に返ったら自分の現在のエロさバロメーターが見えてしまっていたたまれなくなると良く分かりました(爆笑)。
 さて、次回は夏コミ後に『衣通姫』の土井垣さん編を書き上げるのと同時に『心の旅人シリーズ』も再開できたらなと思います。

[2012年 07月 30日]