そうして義経は昨日と同様持てる力の全てを出し切って試合に臨む。そうしてきちんと結果も残したし、チームメイト達も頑張ってくれたおかげで今回は接戦になったため久しぶりに兼任ストッパーとして働きつつ何とか勝利した。ヒーローインタビューにも呼ばれやはり若菜の事が話題に上がったが、彼はうまくかわし、それでも彼女が自分の大切な存在だとは印象付けながら、それとは関係なしにこれからも試合に精一杯力を注ぐと締めた。そうしてチームメイトから労わりの言葉をもらいつつ、三太郎から弥生に連絡をしてもらって『依頼』を承知してくれた事を確認してから土井垣を急かして帰り道を急ぎ、昨日と同じスーパーで葉月に頼まれたスポーツドリンクと、食べられるかどうか分からないが彼女の好物の豆腐とカットフルーツ、家の傍のコンビニでまた氷を買ってマンションの部屋へ戻った。部屋に戻ると葉月が出迎えたが、若菜もベッドから起き出して、リビングに座っていた。義経は起き出していて大丈夫なのかと心配になって彼女の所へ行き、隣に座って肩を抱くと、彼女は幸せそうににっこり微笑んで彼に身体を預け、囁きかける。
「…お帰りなさい。今日も…勝ってよかったし、ヒーローインタビューもあったし…何より頑張ってくれて嬉しかった。…お疲れ様」
「ああ、ありがとう若菜さん…でも起き出していていいのか?」
「またほんの少し熱が下がって楽になったから…この位の調子だと、寝ているだけも辛いのよ」
「…そうか、ならいいが。で、今はどの位なんだ?」
「8度3分…ゆっくり下がってるみたい」
「でもお姫、まだ汗きちんとかいてないから、また急に上がる事もあるからね。気を付けて」
「うん、ありがとう。およう」
「じゃあ…また少し横になった方がいい」
「そうね…そうするわ」
 そうして義経が若菜をベッドに戻した後、葉月が彼に容体と今日あった事を伝える。
「今言った通り熱はゆっくり下がってます。ただ、まだ汗をかいてないんでここから停滞かまた上がるかもしれません。でもこれから汗をかく様だったら下がっていきますよ。食事は昨日より少し多めに食べました。加えてグレープフルーツは残り全部食べたり、私が買って飲んでた野菜ジュースとかも少し分けてほしいって飲みましたからトータルでは結構食べてます。この分なら体力も早く回復すると思います。それからお昼頃おじ様がいらしたので容体全部説明して頼まれた通り診断書も渡しました。心配してましたけど、義経さんがしっかりしているって分かって少し安心したみたいで『迷惑を掛けるがよろしくと伝えてくれ』って言ってました。で、お姫が持って来てる分じゃ足りないだろうって着替えを持ってきてくれたんで、後で確認して下さい」
「ああ、ありがとう。後でお父さんにもお礼を言わないと…そうだ。こっちにマスコミは…」
 義経の言葉に葉月はにっこり微笑んで言葉を返す。
「ええ、来ましたよ。でも私が応対したらあっさり退散してくれました」
「やっぱりな。お前が相手だとゴシップは作れまい」
「宮田さん…」
 葉月と土井垣の言葉に、彼女の『騒動』がマスコミにどれだけ恐れられているか改めて実感し、義経は言葉を失う。そうして義経はしばらく言葉を失っていたが、気を取り直し、とりあえず最後の頼みを葉月に告げる。
「この二日間、本当に助かった。ありがとう。それで、最後にもう一つ…明日の夜朝霞さんと一緒に、出された血液検査の結果や医師から出た指示の説明を頼みたいんだが…大丈夫だろうか」
 義経の頼みに、葉月はにっこり微笑んで言葉を返す。
「はい、大丈夫です。ただ明日は事務処理があって少し仕事終わりが遅くなるんですが、それはかまいませんか」
「ああ、かまわない。朝霞さんには三太郎を通して承諾を得ているから、二人で連絡を取って時間の調整をしてくれないかな。食事は出すから」
「分かりました。じゃあ来る前にこっちに連絡入れて、将さんにも同行してもらいます」
「ありがとう。頼りっぱなしだな」
「いいんですよ。医療面のフォローは私やヒナの専門ですから。義経さんは専門的な所までは良く分からないでしょう?義経さんは自分ができる事をきちんとすればいいんです。食事を作ってあげたり、お姫の生活面の世話をきちんとして、今自分で言った通り結果を理解して医師につなげたり治療がスムーズに進む様に支えるのができるのは『家族』の義経さんだけで、親友とはいえ友人の私達にそれはできないですから」
「…そうか」
「はい」
 葉月は励ます様ににっこり笑った。その言葉と笑顔に義経は気持ちがふっと楽になり、笑顔と決意を返す。
「ありがとう。医師が言っていた事はそういう意味だって改めて自覚できた。俺ができない事はその道の専門に頼って、でも一番大切な所で…俺がちゃんと支えればいいんだな」
「ええ」
「若菜さんが全快するまで宮田さんに…監督にもですね…迷惑を掛けると思うけれど、よろしく」
「ええ、困った時はお互い様です。私に何かあった時も義経さんに頼る事があるかもしれませんしね。いくらでも頼りにして下さい」
「俺はずっと言っている通り、乗りかかった船もそうだが、それ以前にお前の監督なんだからな。監督がチームの選手の面倒を見るのは当たり前の話だ」
「…ありがとうございます」
 義経は心の底から感謝の言葉を述べ、土井垣と葉月はそれに笑って頷いた。そして何か急な異変があった時のためにと葉月の携帯番号を聞き、彼女から若菜の父が持って来たという着替えのバッグを受け取って帰る二人を戸口で見送った後若菜の家に電話を掛け、自分も気が付いていなかった細やかな気遣いに心から礼を言った後、彼女の世話をきちんとすると約束して電話を切って寝室に戻り、横になっている彼女の枕元に腰を下ろすと優しく声を掛ける。
「…さて、これから後は…二人でゆっくりできるな」
「…そうね」
 彼の言葉に彼女もにっこり微笑んで返す。その笑顔を見て彼は更に優しく言葉を重ねる。
「食事はどうする?」
「今は…まだいいかしら。もう少しお腹がすいてから、食べたいわ。でも…光さんは試合の後でお腹がすいてるだろうし、私の事は気にしないでどうぞ先に食べてね」
「いや、俺も今日は少し試合で疲れて今すぐ食べたい気分でもないから。もう少しゆっくりして身体を休めてから…食べるよ」
 彼の言葉に込められた優しい『嘘』に彼女はちゃんと気づき、申し訳なさと嬉しさの混じった微笑みを見せて応える。
「…そう」
 彼女の微笑みを見て彼も自分の心が伝わっている事に気づき、優しく彼女の額を撫でると、不意にある事に気づいて気恥ずかしげにあたふたしながら言葉を続ける。
「ああ、そうだ。お父さんが持って来た着替えや脱いだ物は…俺に見られたくないかな。とはいえ…若菜さんだってずっと今の下着やパジャマを着たきりは気持ち悪いだろうし、汚れた服も洗いたいだろう。…でも…その、俺達の仲とはいえ…その、まだ俺が洗濯するのは…嫌だろう?」
 彼の言葉と態度に彼女はくすくすと笑うと、優しく、しかしやはり恥ずかしげに言葉を返す。
「そうね。…でも大分身体が楽になったから…乾燥機もあるし、洗濯機と乾燥機に入れる位なら…私にもできるかしら。でも、ここで洗ったとしたら…乾燥機が使えない飾りがある服もそうだけど、下着とかをこの部屋に干したら…光さんこそ嫌じゃない?」
「…」
 ふっとその風景を想像して彼は気恥ずかしくなり赤面して沈黙する。しかし近い将来当たり前になる風景だと思うと自然に気恥ずかしさや照れくささが薄らいだ。その心のままに彼はぼそりと口を開く。
「…まあ、近い内当たり前になる…のだから、少し照れくさいが…嫌だとは思わない。むしろ…ちゃんとした夫婦らしくて…幸せだと思う」
「…そう」
 彼の言葉に彼女も恥ずかしげに顔を赤らめる。そうしてしばらくお互い何とも言えない気恥ずかしさで沈黙していたが、やがて彼女が気恥ずかしげに、でも幸せな心は伝わる口調で言葉を紡ぐ。
「何だか…具合が悪くなったのは辛いけど、こうやって光さんとずっといられて…普通に二人で生活しているみたいに過ごせるのは…本当に嬉しいの。きちんとそうしたければ…私が市役所を辞めて独立するか、一番いいのはここの奥様達が言う様に専業主婦になって、あなたに付いていけばいいだけなのに、どうして…そうする様に思い切れないのかしら」
 そう言って少し暗い表情になった彼女を宥める様に彼はもう一度彼女の額を撫でると、優しく、しかし励ます様に言葉を返す。
「そんな事を言わないでくれ。若菜さんが俺と同じ様に、今の仕事が好きで仕方がなくて責任も持っている事はよく分かっているし、評判も向こうに行く度に聞いている。住民のために親身になって、管理職に近い主幹になっているのに、一般職員を育てながら彼ら以上に現場を駆け回って相談に乗って動いているそうじゃないか。向こうで話を聞くと皆『市役所の職員は敷居が高いと思っているが、あなたは別だ』と喜んでいた。そんなあなたがいなくなったらきっと皆悲しむ。…俺の方こそ残りの現役生活が短いだろう事と、総師を継いだ後も普段は道場の外で暮らしていい事を考えたら、向こうへ行かないのが申し訳ないと思っているんだ。だから、俺こそが早く生活リズムを見極めて…向こうに行ける様にしたいと考えている。それから、頑張って名字の事もお互いの両親を早く説得する。申し訳ないがもう少し…待ってくれ。一刻も早く問題を全部片づけたらすぐ籍を入れて、向こうでお互い何の気兼ねもなくまずは二人で…そうして、その内増えていくだろう家族も一緒に、ずっと…幸せに暮らそう」
「…ありがとう」
 彼女が幸せそうに涙ぐんだので、彼はその涙を拭ってキスをした。彼女は静かにそれを受けて、またぽつりと呟く。
「…幸せね、今の私と光さんは」
「若菜さん?」
 彼女の意味が通っている様で脈絡がない呟きに彼は問い返す。その言葉に応えるでもなしに彼女はぽつり、ぽつりと言葉を零していく。
「…熱を出してから、眠る度に夢を見るの。…私と光さんじゃない、でも確かに…私と光さんだって分かる私達が出てくる夢。でも、夢の中の私達は…とっても悲しいの。それで…目が覚める度に、胸の中…ううん、言い過ぎかもしれないけど…まるで魂がなくなって…ぽっかり空いたみたいにとっても寂しくなるの。今の私は幸せなのに、同じだけど違う、その『もう一人の私』が寂しくて…哀しくなっているみたいに。どうしてかしら、今までこんな思い…した事ないのに」
「…そうか」
 彼はやはり彼女も同じ夢を見ていたのかと思い、自分も感じていたその哀しさを思い出し胸が締め付けられそうになるが、それ以上にその夢がまるで自分達の魂の繋がりを示している様な気がして、その事に幸福感と自分の中の『もう一人の自分』であろう、あの『物の怪』の魂が満たされていく様な感覚を覚え、その心のままに彼も自分が見た『夢』を語った。
「俺も、若菜さんが倒れてから…同じ様な夢を見ていた。その夢を見る度に俺の心もとても哀しくて…寂しくなった。でも、今あなたが同じ様な夢を見ていたと知って、まだ本質は分からないが…きっと、これには意味があるんだと…何となく思った。こんな事を言うと非科学的だが…多分、同じ夢を見た俺達の魂は何か人のあずかり知らぬ所で…繋がっているんだろうな」
「そうだったら…ちょっと怖いけど、でも…幸せね」
「そうだな。それに、お互いそうした哀しい夢を見ていたというのは…そうした意味は関係なくとも、今の自分達も余りに離れる事が多くて寂しいと無意識に思っていて…お互いに心から満たされたいからだとも思う」
「…そうね」
「若菜さんは病身だからあまり色々できないが…この短い二人の生活は、もう少し後のもっと満たされる、長い二人の生活に移るための準備になる様な…最初のお互いに満たされる生活にしよう」
「…はい」
 そう言うと二人は微笑み合う。そうしてしばらく温かい沈黙に包まれていたが、やがて彼から優しく声を掛ける。
「そろそろ…食事にしようか」
 彼の言葉に、彼女はにっこり微笑んで返す。
「そうね。少しお腹がすいてきたから…食べましょう?それから」
「それから?」
「ちゃんとキッチンで食べたいわ。その後も少し光さんと一緒に起きていたいの…駄目?」
 彼女の言葉に彼は微笑みを返すと、優しくその『我侭』に応える。
「まあ…無理のない範囲でなら構わない。その代わり、辛くなったらすぐ寝る事。いいな」
「はい」
 彼女は幸せそうに更ににっこり微笑んだ。その微笑みを見て彼は彼女の容体は心配だがそれでもその彼女の気持ちが嬉しく思い、優しく言葉を続ける。
「じゃあ支度ができたら呼ぶから…それまでは寝ていなさい。そうだ、土産に食べられるかは分からなかったしスーパーの物で悪いが、また果物と、若菜さんの好物の豆腐を買って来た。食べられる様だったら豆腐は身体を冷やさない様に温豆腐にして出すが…どうする?」
「そうね…何だか少し食べたいわ。光さんには手間を掛けさせて悪いけど、お願いしていい?」
「ああ。俺も一緒に食べるのだから手間でもないさ。じゃあできるまではゆっくり休んで待っていなさい」
「はい。ありがとう、光さん」
 そう言うと義経はまた優しく若菜の額を撫でた後キッチンに行き、粥の残りの量を見て何とか二人分足りそうだと確認し、温め直す間に温豆腐を作る。いつも作るあんかけの様な濃い味付けだと彼女の胃に負担がかかるだろうと、味付けはだしで割った醤油と薬味に生姜と葱を添えて、簡素な食事が出来上がった。彼はキッチンのテーブルにできた温豆腐と粥を並べると彼女を呼び、二人で食事をとっていく。彼女は嬉しそうに食事をとっていたが、元々食が細い事に加えてやはり熱で食欲が更に落ちているのか、普段でも小食な女性よりも少ない食事量の更に三分の二程度しか食べられなかった。それでも昨日に比べれば随分食欲が戻って来ているのが彼にも分かった安堵と共に、あまり食事が一緒にできない彼女がいつもこうして試合でいない間に来た彼女のために自分が作っている食事を幸せそうに微笑んで食べてくれているのだと改めて分かった事が、彼を幸せな気持ちにさせた。そうして食事をとった後二人でカットフルーツを分けて口にして、義経が出したお茶をゆっくり飲んだ若菜は、心から幸せそうに微笑んで口を開く。
「…今日はこれ位でいいわ。ありがとう、光さん。光さんのおかげでたくさん食べられた」
「そうか…大分食欲も戻って来たみたいで俺も嬉しい。明日からは粥じゃなくても大丈夫かな」
「そうね…軽めにしてお茶漬けとかから始めれば大丈夫かも。…でもね」
「でも?」
「きっと…こんなに早く食欲が戻ったのはね、光さんが傍にいて…私の事を考えて食事を作ってくれるのが幸せだからよ。光さんに迷惑をかけているのは辛いけど、きっと病院だったら、まだこんなに食べられなかったと思うわ」
「そうか。ありがとう、そんな風に言ってくれて。…でもな、あなたは俺に迷惑なんかかけていないんだ。病院に置かなかったのは、俺が辛くて耐えられなかったからで…望んでこうして俺の傍に置いているんだから。むしろ、俺はあなたがいてくれて…世話ができて幸せなんだ」
「…そう」
「…ああ」
 互いの気持ちを伝えあって二人は気恥ずかしくなりながらも、同時にお互い先刻と同じく空虚を感じていた魂が満たされていく幸福感を覚えていた。そうして義経は起きていたいといった若菜をリビングに落ち着かせると食事の片づけをして彼女の傍へ戻り、自分に寄りかからせながら問いかける。
「じゃあ、起きている間…何をしようか」
 義経の言葉に若菜は少し考える素振りを見せると、甘える様に言葉を返した。
「こんな事言うのはおかしいかもしれないけど…こうやって何もしないで二人でゆっくりしたいの。…光さんはそれ嫌?」
 義経は若菜の言葉に何とも言えない気恥ずかしさを感じたが、そういえばいつもは会えなかった時の事を途切れる事なく話しているか、二人で本を読んだりテレビを見たりと何かしらしていて二人のそんな時間は今まであまり持った事がなかった、と思い出し、何もしない代わりの濃密な時間が確かに自分も欲しくなり、彼女の言葉に同意する。
「そうだな。…たまには何もしない…こんな時間があってもいいな」
「本当に?」
「ああ。ただ若菜さんはこの格好だと冷えるかもしれないな…何か気軽に掛けられる物を用意すればよかった。…そうだ、ちょっと重いかもしれないが…今持ってくる」
 そう言うと義経は自分がいつも球場で着ているスターズのジャンパーを持ってきて彼女の肩に掛ける。若菜は嬉しそうに微笑んで自分の身体をジャンパーで包むと、彼に言葉を返す。
「ありがとう、光さん…でもどうしてかしら。嬉しいのと一緒に…とっても懐かしいわ。光さんにこうしてもらった事はないはずなのに」
「そうか…俺も何でかこうした方がいいと思ったんだが…何故だろう、毛布でもいいはずなのに。…でも、喜んでくれたのは俺も嬉しい」
 そう言うと義経は改めて若菜の身体を自分の身体に預けさせ、そのまま温める様に包み込んで抱き締めると、二人で途切れ途切れに取り留めない話をしたり、反対にわざと黙ったりして二人の時間を噛み締める。そうして互いに心地よい疲れが出て来た所でお互いにその様子を感じ取り、彼はまず彼女をベッドに戻し風呂に入って寝室に戻ると、病気だからと遠慮していた昨日とは裏腹に躊躇いなくいつもの様にベッドに入り、それに足してやはりいつもとは違って躊躇いなく彼女を抱き締める。まだ熱が下がっていなくてそれは確かに心配なのにそうした事も奇妙だったが、それ以上にいつもなら彼の肩などの心配があるので彼に抱き締められて眠るのは避ける彼女が、今夜は止めようとするどころか昨夜と同じ様に自分から彼の胸に顔を埋めている事も不思議だった。彼女も自分の中の『もう一人の彼女』を満たそうとしているのだろうか――それを感じた彼も自分の中の『もう一人の自分』を満たそうとしているのか、迷わず彼女を離さず包み込んでいた。二人であって二人でない、そんな自分達に戸惑いつつも、今の自分達に満たされた幸せを感じているのは確かで、その幸せを守る様に二人は互いに身を寄せ合いながら眠りに就いた。