その後あたしは熱を出して、誰にも会いたくないと来てくれたお姉ちゃんも締め出し、一人で熱でぼんやりする頭だったけれどずっと考えていた。あたしは全てを思い出した。どうして病院に来る様な事になったのかも、どうしてそうしなければいけなかったのかも――あたしはあたしの秘密をマスコミに書かれて、将さんにばれてしまったのが悲しくて、死のうとしたんだ。マスコミに書かれていた内容はでたらめだけれど、たった一つだけ『真実』があった。――あたしは汚れている――こんなあたしに関わっていたら将さんが汚れてしまう。死のうとした時だって、14歳だと思っていた時だって、今だって、変わらずあたしは将さんが好きだ。あたしは好きな人を汚したくない。だから将さんを汚さない様に全てをおしまいにしなければいけない。本当はおしまいにしたくない。でも、おしまいにしなければ将さんを汚してしまう。だから全てをおしまいにしなければ――そう決心をして熱が下がった日の朝、将さんが病院に来てくれた。嬉しかったけれどそれも今日でおしまいにしなければいけない。あたしは精一杯の強がりで将さんにさよならを言った。将さんは最後まで優しくあたしを包もうとしてくれたけれど、あたしはそれに値する人間じゃない。強硬にさよならを言い続けたあたしに諦めたのか、将さんは病室を出て行った。これでいい、すべては幸せな夢だったと思えばもうあたしは大丈夫。将さんはふさわしい人と幸せになればいい――そう思っているのに目から涙が零れてきて、あたしはいつの間にか泣いていた――